初開催のFIFA U-15W杯&フェスティバル、8人制・最低9試合の狙い

2026年10月、アゼルバイジャンの首都バクーで、FIFAが新しく立ち上げた「U-15ワールドカップ&フェスティバル」が開かれています。最大の特徴は、8人制で交代は自由、そしてどのチームも最低9試合を戦えることです。勝ち負けだけでなく「とにかく試合をたくさん経験させる」ことを世界大会の仕組みに組み込んだ点に、育成年代を支える保護者や指導者が学べるヒントがあります。
どんな大会? 基本情報を整理
FIFAの解説ページと日本サッカー協会(JFA)の発表をもとに、ポイントをまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会期間(FIFA発表) | 2026年10月24日〜30日 |
| 会場 | アゼルバイジャン・バクー(Hovsan Competition Complexなど) |
| 対象 | 2011年・2012年生まれの選手 |
| 2026年の部門 | 男子(2027年は女子の大会を予定) |
| 参加規模(FIFA発表) | 190の加盟協会、約3,000人、約950試合 |
| 1チームの人数 | 選手14人+スタッフ最大6人 |
FIFAは、2028年からはすべての加盟協会が男子・女子それぞれのU-15チームを別々の大会に送れるようにする計画も示しています。
ルールの特徴:8人制・交代自由・最低9試合
この大会は、11人制ではなく育成向けのルールで行われます。
- 8人対8人、前後半20分ずつ
- ピッチは68m×47m、ゴールは一般用(フルサイズ)
- 交代は回数無制限
- スローインの代わりに「キックイン」
- オフサイドは、ゴールラインから14mの位置に引かれたラインより先でのみ適用
- 予選ステージは4〜5試合の総当たり。グループには少なくとも3つの大陸連盟のチームが入る
- その後のトーナメントステージでは、結果に応じて6つの「ティア(階層)」に分かれて4〜5試合を戦う。各ティアに優勝チームがあり、ティアAの優勝が大会初代王者
つまり、早く負けて大会が終わるチームが出ない仕組みです。実力の近い相手と、最後まで試合を続けられるように作られています。
日本代表のスケジュール
JFAの発表によると、U-15日本代表は選手14人(GK2人、DF7人、MF4人、FW1人)で参加しています。グループの試合予定(現地時間)は次の通りです。
- 10月24日:ソロモン諸島戦
- 10月25日:中国戦、中央アフリカ戦(1日2試合)
- 10月26日:アンゴラ戦、サウジアラビア戦(1日2試合)
- 10月28日〜30日:トーナメントステージ(時間は未定)
1日2試合の日もある、密度の濃い日程です。試合結果や今後の日程は、JFAの公式サイトで確認できます。
「この年代でいちばん大切なのはプレーすること」
FIFAのグローバルフットボール育成責任者であるアーセン・ヴェンゲル氏は、この大会について「この年代でいちばん大切なのはプレーすること」という趣旨の言葉を残しています。才能は世界中にあるが、チャンスは平等ではない。だから早い段階で、違う地域・違うスタイルの相手と真剣勝負をする機会をつくる、という考え方です。
大会には試合のほか、全選手が同じ選手村に泊まって国を越えて交流すること、短いライフスキル(生きる力)のプログラムや学びのスペース(ラーニングゾーン)も用意されています。「フェスティバル」という名前には、こうした意味も込められています。
日本の8人制とも共通する考え方
日本でも、小学生年代(U-12)では8人制が使われています。JFAの8人制の資料では、「ボールタッチの回数を増やすことは不可欠」としたうえで、人数が少ないほど一人ひとりがボールに触れる回数と判断する回数が増えること、11人制より「観るものが減ることで、判断が明確になる」ことを挙げています。資料が紹介した比較では、シュートを打った選手はチーム平均で8人制が7.5人、11人制が4.5人でした。詳しくは8人制サッカーの基本とねらいもご覧ください。
今回のU-15の世界大会も、同じ方向を向いています。中学生年代になると「11人制で、強い子だけが出る」形になりがちですが、世界のトップの大会が「出場機会」と「試合数」を大事にしていることは、覚えておきたいポイントです。
保護者・指導者が今日からできること
- 出場時間を数える:公式戦だけでなく、練習試合やトレーニングマッチも含めて、子どもが月に何分プレーしているかを一度メモしてみましょう。
- 少人数ゲームを見直す:中学生でも、8人制や少人数のゲームは判断とボールタッチを増やす練習になります。
- いろいろな相手と戦う:地域外のチームとの交流戦など、違うスタイルの相手と戦う経験は大きな学びになります。
- 結果より「何試合、何分」:試合後の声かけで、勝敗より「どんなプレーに挑戦できたか」を聞いてみてください。
バレーボールなど他の競技でも、育成年代では「出場機会をどう増やすか」が共通のテーマです。ほかの競技の子を持つ保護者にも、出場時間を意識する視点は役立つはずです。
この記事は2026-10-26時点の情報をもとにしています。制度や日程は変わることがあるので、最新の情報は出典元でご確認ください。
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