中学でもサッカーを続けたい女子選手へ 迷いと不安の整え方

小学生のころは楽しくボールを追いかけていたのに、中学進学を前に「このまま続けていいのかな」と迷う女子選手は少なくありません。日本サッカー協会(JFA)も、女子の登録数が中学生年代で減ることを課題として挙げ、受け皿づくりを進めています。迷いは弱さではなく、環境が大きく変わる時期の自然な反応です。気持ちを言葉にして整理し、「続け方」の選択肢を知ることで、好きなサッカーを手放さずにすむことがあります。
迷いが生まれやすい3つの場面
中学生年代の女子選手が感じやすい不安は、主に次の3つです。
| 場面 | 起こりやすい気持ち |
|---|---|
| チームが変わる | 小学生のチームを卒団し、新しい環境に一人で入る不安 |
| 近くにチームが少ない | 「通える範囲に女子チームがない」「練習時間が合わない」という戸惑い |
| 周りとの違いを感じる | 友だちが別の部活に入る、学校生活が忙しくなるなかで、自分だけ違う道を選ぶ心細さ |
どれも「サッカーが嫌いになった」わけではありません。まずは、何に迷っているのかを分けて考えることが、心を整える第一歩です。
ステップ1:気持ちを「書き出す」
頭の中だけで考えると、不安はどんどん大きく見えます。ノートに次の3つを書き出してみましょう。
- サッカーのどんなところが好きか(例:ゴールを決めたとき、仲間とパスがつながったとき)
- いま心配なこと(例:通う時間、知らない人ばかりのチーム、勉強との両立)
- その心配は「自分で変えられること」か「変えられないこと」か
3番目で「変えられること」に入ったものは、具体的な行動に変えられます。たとえば「知らない人ばかり」が不安なら、体験練習に一度行ってみる、という行動が考えられます。
ステップ2:「続け方」は一つではないと知る
JFAは、サッカーを競技としてだけでなく「生涯にわたって楽しめるスポーツ」として広めようとしています。そのための取り組みとして、次のようなものが紹介されています。
- JFAなでしこひろば:地域で女性・女子がサッカーを楽しめる拠点づくり
- HER TEAM(2020年〜):中学生年代の女子チームの立ち上げを支援
- JFA×MS&AD なでしこ「つぼみ」プロジェクト(2024年〜):自治体などと協力し、U-15女子の地域クラブづくりを支援
- 都道府県の女子サッカー普及担当:2017年から各都道府県サッカー協会に配置
また、国民スポーツ大会に女子U-16の区分ができる(2022年〜)など、高校年代につながる大会の場も広がっています。
「強いチームで勝負する」だけが続ける方法ではありません。週に数回楽しむ、地域の拠点でボールを蹴る、いったん別の部活に入りながら地域でサッカーを続けるなど、自分に合う形を探してみましょう。お住まいの地域の情報は、都道府県サッカー協会に問い合わせると見つかることがあります。
ステップ3:試合やチームで落ち込んだときの切り替え
新しいチームに入ると、出場機会が減ったり、ポジションが変わったりすることもあります。落ち込んだときは、次の順番で気持ちを切り替えてみてください。
- 事実と気持ちを分ける:「今日は前半だけ出場した」(事実)と「もう必要とされていない」(気持ち)を分けて書く
- できたことを1つ書く:どんなに小さくてもよいので、今日できたプレーを1つ
- 次の練習の目標を1つ決める:「声を出して要求する」など、自分で決められる目標に
比べる相手は他の選手ではなく、昨日の自分です。
保護者ができる声かけ
迷っている子に、親の意見を先に伝えすぎると、子どもは本音を言いにくくなります。
- 「どうしたいの?」と結論を急がず、「何が一番気になってる?」と聞く
- 続ける・やめる、どちらを選んでも応援すると伝える
- 体験練習の送迎や情報集めなど、「行動」を一緒にする
- 「女の子だから」「男の子と比べて」といった言い方を避け、本人の気持ちと目標を軸に話す
親が一緒に選択肢を調べてくれるだけで、子どもは「一人で悩まなくていい」と感じられます。
迷ったことは、きっと力になる
自分の気持ちを整理して道を選んだ経験は、試合でのプレッシャーや、高校・その先の進路を考えるときにも生きてきます。バレーボールなど、中学進学で環境が変わる他の競技の選手にとっても、「気持ちを書き出す」「続け方は一つではない」という考え方はそのまま使えます。
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